クラウドファーストとは?クラウド導入のメリットやコストを解説
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テレワークや在宅勤務が増え、業務効率化のためにクラウドサービスの導入を考える企業も増えています。クラウドファーストという言葉もよく耳にするようになりました。
ただ、クラウドの導入にあたっては
- 効果(メリット)がわからない
- セキュリティ面がしっかりしているのか?
- 自社向けにカスタマイズはできるのか?
- 今使っているシステムからクラウドへ移行するコストが膨大なのでは?
など不安や疑問も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、クラウドファーストという言葉から、クラウドに関してまで詳しく解説します。クラウド導入を検討している、なかなか導入に踏み切れていない企業の方はぜひ参考にしてみてください。
目次
クラウドファーストとは?
クラウドファーストとは、自社独自のインフラシステムを構築するのではなく、クラウド事業者が提供するクラウドサービスを利用することを第一とする考え方のことです。
2018年6月に出された「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」でもクラウドファーストにかかる表現が含まれています。
そもそもクラウドとは?
クラウドとは、インフラ環境を自前で持たなくてもインターネット上のシステムにアクセスして、必要な時に必要な分だけサービスを利用できる形態のことです。
また、クラウドの中でもクラウド環境を自社で構築する必要があるものの例としては、
- Amazon Web Services(AWS)
- Microsoft Azure(Azure)
- Google Cloud
などがあります。
クラウドを導入するメリット4つ
政府機関からもクラウドファーストの考え方の基本方針が出され、これからさらにクラウドの利用が増えてくことが予想されます。ここでまずは、クラウド導入のメリットをおさえていきましょう。
初期費用が安い
まず、クラウドを導入するメリットとして、初期費用が安く済むことがあります。オンプレミス(自社運用)の場合、ソフトウェアの購入や構築のための費用が初期費用としてかかります。また、購入してみて自社に合わない、使いこなせないといったリスクもありました。
それに比べてクラウドでは、初期費用なしで利用を始めて合わなければ別のクラウドへ乗り換えることができたり、クラウドベンダーに責任反映が広いサービスへ変更をして開発に集中することができたりするのが、メリットとして挙げられます。
導入が簡単
既存のクラウドサービスをそのまま利用する場合は、初期費用面と同様にハードウェアの購入や開発の手間がなく、導入が簡単です。自社の業務に合った内容で契約して利用します。
ネット環境があればどこからでもアクセス可能
クラウド利用の場合は、ネット環境があればどこからでもサービスの利用が可能です。パソコンだけでなく、タブレットやスマホなど複数のデバイスからアクセスできることも企業によってはメリットでしょう。
ネットワーク上でデータ管理ができるため情報共有も簡単です。最近では、テレワークや在宅勤務が増え、それをきっかけにクラウドの導入に踏み切った企業が数多くあります。
保守・管理の手間がかからない
システムを自社で運用する場合と比べて、クラウドでは保守・管理の手間がかからないというメリットがあります。定期的な更新やメンテナンスも含めてサービスの利用ができ、その作業も自動化されているものが多く、自社業務に集中することが可能です。
クラウドのセキュリティ面は?
クラウドを導入すると、インターネットを通じてデータ管理を行うため、第三者による不正アクセス等のリスクが生じるのでは?など、セキュリティ面で不安を感じる企業も多いのではないでしょうか?
以下では、安全にクラウドを利用するためのポイントを解説します。
自社のデータの重要度を整理してそれぞれの対策を明らかにする
安全にクラウドを利用するために、導入前に自社データの重要度を整理しておくことが大切です。そして、サービスを選ぶ際のポイントとして、「責任分界点」という言葉を理解する必要があります。
責任分界点とは、クラウドサービス提供会社と利用企業がそれぞれインフラ基盤のどこからどこまでの部分の責任を負うのかを定めた境界線のことです。責任の範囲はセキュリティ責任にも適用されるため、利用前には責任分界点からもサービス内容の確認が必要です。
データの重要度に合ったサービスやクラウドを選ぶこと、そしてリスクとその対策を明確にしておきましょう。
自社のセキュリティポリシーに合ったクラウド事業者を選定
自社データの重要度を整理するとともに、自社のセキュリティポリシーを再確認し、それに合ったクラウドを選択しましょう。
例としては、業界ガイドラインや関連法令に引っかかってしまうケースがあるため確認が必要です。自社のセキュリティポリシーに合ったクラウド事業者がない場合は、
- オンプレミス(自社運用)の継続
- マルチクラウド(複数のクラウドシステムを組み合わせる)
- ハイブリッドクラウド(オンプレミスとクラウドサービスの併用)
などの検討が必要です。
クラウドは自社向けにカスタマイズできる?
次に、これからクラウドの導入を検討している企業の方に向けてクラウドのカスタマイズ性について解説します。
カスタマイズ性はクラウドの種類によって異なる
クラウドのカスタマイズ性はクラウドの種類によって異なります。
クラウドは大きく分けて3つに分類されます。それぞれ特徴をまとめました。
SaaS(ソフトウェア)
SaaSは「Software as a Service」のことで、サービス提供会社が用意したアプリケーション機能をそのまま利用することを前提としています。
複雑な設定や設計が要らない分、カスタマイズ性が低いことが特徴です。
PaaS(プラットフォーム)
PaaSは「Platform as a Service」のことで、アプリケーションを利用するための開発ツールやOS機能までを提供してもらいます。
完成されたサービスを利用するSaaSとは違い、自社業務に合わせてシステム構築の必要があるため、一定レベルでの専門知識が必要です。
ただその分で、SaaSよりカスタマイズ性は高くなります。
IaaS(インフラストラクチャ)
IaaSは「Infrastructure as a Service」のことで、もっともカスタマイズ性の高いクラウドです。サーバーやネットワークなど、インフラの機能の提供に限られるため、企業側がOSやメモリ容量など自社に合わせてカスタマイズして適用できます。
自由度が高いため、社内に専門知識を持ったスタッフを置くか外部へ委託する必要があるでしょう。
クラウドへの移行コスト
クラウドへ移行するコストについて、どのくらいかかるのかといった疑問もあるのではないでしょうか?
ここでクラウドへの移行コストについて解説します。
既存のシステムが複雑な場合は移行コストは大きくなる
クラウドへの移行コストは、既存の使っているシステムの複雑さや規模によって異なります。移行前には、移行することでの影響やリスクの分析が必要になり、それに応じてシステムの設計を行うことになるからです。
自社のシステムの現状から移行コストをシュミレーションすることが重要
自社のシステムの現状(ニーズ)を把握し、それに合うサービスがあるのか確認しましょう。その上でクラウドへ移行することがメリットになるのか、シュミレーションしてみてください。
まとめ:クラウドは正しく導入することで業務を最適化できる
今回は、最近よく耳にするようになった「クラウド」そして「クラウドファースト」について解説しました。クラウドは自社業務の必要に応じて導入できると、
- コストと手間の削減
- 通常業務の効率化
につながり、業務を最適化できます。
クラウドを導入を検討している企業は、まずは自社業務のデータ重要度の整理、セキュリティポリシーを再度確認してシュミレーションから始めてみてください。