クラウドサーバーとは何か?導入時のポイントや選び方まで徹底解説!
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- 選び方
近年、クラウドは社会インフラの一部と化しており、あらゆるものがクラウドへ移行しています。クラウド上に存在するサーバーをオンデマンドで利用するのが「クラウドサーバー」ですが、非常に多くのサービスが存在しており、どれが良いのか、選定に困っている方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、クラウドサーバーの概要、メリット、デメリットに加えて、クラウドサーバーを導入するときに意識すべきポイントと具体的な選び方まで一挙にご説明します。クラウドサーバー導入を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
クラウドサーバーとは?
概要
はじめに「クラウド」という言葉を正しく理解しましょう。クラウドとは「インターネット上の仮想基盤」を意味する言葉です。 PC やスマホなどの端末にデータを保存するのではなく、インターネット上に存在する仮想空間に保存して、運用することを「クラウド化」と言います。
つまり、クラウドサーバーとはクラウド環境に存在する仮想サーバーを意味しており、インターネット環境とアカウントがあれば、簡単にサーバーにアクセスできます。利用者はサーバーにアクセスすることで、クラウド上に保存したデータをいつでも利用可能になります。
また、クラウドサーバーでは複数人でサーバー内のデータを共有することができます。物理的に離れた場所にいても、インターネットで全世界が繋がっているため、リアルタイムに同じデータへアクセス可能です。そのため、組織として連携しながらデータを活用でき、業務の属人化を回避することができます。
種類
クラウドサーバーは大きく分けると PaaS と IaaS の2種類に分類されます。 PaaS と IaaS はクラウドの提供形態の一つであり、それぞれ異なる特徴を持っています。
PaaS は Platform as a Service の略であり、クラウド環境における開発プラットフォームを提供するものです。エンジニアが利用する場合が多く、主にソフトウェアやアプリケーションを開発するためのサービスです。
IaaS は Infrastructure as a Service の略であり、様々な IT インフラをクラウド上で提供するものです。例えば、ネットワーク、サーバー、 CPU 、メモリなどが挙げられます。
両者の違いは、サービスの提供範囲としてプラットフォームが含まれているかどうかです。 PaaS は IT インフラに加えてプラットフォームがセットになっていますが、 IaaS はあくまで IT インフラの土台部分のみを提供しています。
PaaS や IaaS に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
図解でわかる!SaaS、PaaS、IaaSの違いとクラウドサービスとの関係性について
物理サーバーとの違い
物理サーバーとは、物理的に存在しているサーバーのことであり、オンプレミスでサーバーを自社運用している場合は物理サーバーに該当します。一方、クラウドサーバーは複数サーバーをまとめることで仮想的に1台のサーバーを作り出します。
物理サーバーの場合、容量を追加するには物理的にサーバーの数を増やす必要があります。しかし、クラウドサーバーは仮想環境であるため自由にリソースを拡張でき、スペースやコストの削減に繋がります。
物理サーバー(オンプレミス)とクラウドの違いについて理解を深めたい方は以下の記事をご確認ください。
オンプレミスとクラウドの違いとは?メリット&デメリット、移行の注意点も解説
オンプレミス、クラウド開発における違いとそれぞれの特徴とは?
クラウドとオンプレミスの減価償却と会計処理・税務処理について
レンタルサーバーとの違い
レンタルサーバーとクラウドサーバーは混同されがちですが、両者は明確に異なるものです。レンタルサーバーはシェアハウス、クラウドサーバーはマンションと考えると、それぞれの違いをイメージしやすくなります。
まずはレンタルサーバーをイメージしてみます。1つのシェアハウスを複数人で利用するため、台所やトイレなどは居住者全員の共用物であり、寝室として自分だけの部屋が割り当てられています。
このようにレンタルサーバーでは、サーバーの CPU やメモリを複数ユーザーで共有しており、各ユーザーがそれぞれの Web スペースを持っています。そのため、ルームメイト(自社と同じサーバーを利用している別ユーザー)の影響を受けやすくなります。
一方で、クラウドサーバーはマンションに例えられます。マンションは同じ建物ではありますが、部屋自体が分離されていて、台所やトイレも各部屋に備えられています。
このようにクラウドサーバーは、1台のサーバーの中に複数のサーバーを仮想的に作ることができます。レンタルサーバーとは異なり、 CPU やメモリは各仮想サーバーの中で仮想的に作成されるため、他ユーザーの影響を受けることはありません。
レンタルサーバーに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
レンタルサーバーとクラウドの違いとは?あらゆる観点から徹底比較!
クラウドサーバーのメリット
初期費用を抑えられる
自社でオンプレミスのサーバーを用意する場合、物理サーバーやデータセンターの建設、ネットワークの整備など多額のコストが発生します。加えて、サーバーを運用するための設備も必要になるため、数百万円単位の初期費用がかかることも珍しくありません。
次にレンタルサーバーを利用する場合ですが、物理サーバーほどではないものの、一定の初期費用が発生するケースがほとんどです。特に専用サーバーの初期費用は10万円を超えることもあり、場合によっては大きな負担になります。
これらの物理サーバーやレンタルサーバーと比較すると、クラウドサーバーは初期費用を抑えられる点が大きなメリットになります。クラウドサーバーの多くは初期費用が無料であるため、低コストでサーバー構築をしたい企業にはクラウドサーバーがオススメです。
自社の管理工数を削減できる
本来、サーバーを運用するためには様々なコストが発生します。例えば、サーバーの電気代やデータセンターの空調費用、管理者の人件費などが挙げられます。
一方で、クラウドサーバーは提供事業者が管理責任を負っているため、自社でメンテナンスを行う必要はありません。サーバー運用にかかるコストや管理工数を削減できる点は、クラウドサーバーの大きなメリットだと言えます。
災害時のリスクを軽減できる
企業にとって BCP 対策(事業継続計画)は必ず抑えておきたいポイントです。自社でサーバーを運用している場合、大規模災害によってデータセンターが被害を受ければ、業務停止に陥るリスクがあります。
一方で、クラウドサーバーは複数のデータセンターにサーバー機能を分散しており、災害に強いサービス構造となっています。また、データセンターの設備自体が火災対策や地震対策などを万全に取っているため、安全な環境でサーバーを運用できます。
さらに、クラウドサーバーは自動的にバックアップを取得するケースが多いため、仮にデータが消失しても簡単に復元可能です。このように、災害リスクの低減に役立つ点もクラウドサーバーの大きなメリットです。
BCP対策とクラウド、物理サーバー(オンプレミス)について詳しく理解をしたい方は以下の記事がオススメです。
オンプレよりも安全?クラウドがBCP対策に選ばれる理由とは?
クラウドサーバーのデメリット
ランニングコストが発生する
クラウドサーバーは初期費用を抑えられると説明しましたが、その一方でランニングコストは発生します。クラウドサーバーの多くは月額制であり、月数千円程度のものから月数十万程度のものまで、利用規模やサービスによって料金は大きく異なります。
また、サービスの種類によっては従量課金制を採用しており、使用したリソース量に応じて料金が変動します。このように、クラウドサーバーを使う場合、運用中は月額料金がずっと発生するため、あらかじめ発生する費用をシミュレーションしておくことが大切です。
カスタマイズ性に限界がある
自社で運用するオンプレミスサーバーと比較すると、クラウドサーバーはカスタマイズ性に限界があります。クラウドサーバーの場合、サーバーを運用しているのはクラウド事業者であるため、細かい設定や複雑なカスタマイズはできません。
とはいえ、クラウドサーバーの中にもカスタマイズ性が高いサービスは存在します。まずは自社の要件を明確にした上で、最適なクラウドサーバーを選ぶことが大切です。なお、レンタルサーバーと比較すれば、クラウドサーバーの方がカスタマイズ性は高くなります。
クラウドでカスタマイズをしたい方は以下の記事がオススメです。
クラウドで自社にあったカスタマイズは可能か?オンプレ利用者の悩みを解決!
セキュリティを自社でコントロールできない
クラウドサーバーはクラウド事業者が提供している環境を利用するため、セキュリティを自社でコントロールすることができません。そして、サーバーのセキュリティ体制はクラウド事業者ごとに大きく異なります。
そのため、セキュリティレベルが高いサービスを選択することが大切です。例えば、サーバー側の管理体制、クライアント側のセキュリティ設定、通信の安全性など、あらゆる観点から複数のクラウドサーバーを比較検討してください。
代表的な3大クラウドサーバー
本章では、代表的なクラウドサーバーを3つご紹介します。どれも、IaaS PaaS 領域をカバーするサービスであり、単なるクラウドサーバーではなく、様々な機能を搭載したクラウド型のプラットフォームになります。
Amazon Web Services (AWS)
AWS は Amazon.com 社が提供するクラウドサービスです。2006年7月に EC2 の公開が開始され、クラウドサービスの中では最も長い歴史を持っています。
サービスの種類も豊富で、常に新しいサービスや独創的な考え方のサービスを提供しています。歴史が長いためか、様々なクラウドサービス選択の基準となり、最初に検討される場合も多いと思います。
Microsoft Azure
Azure は Microsoft 社が提供しているクラウドサービスです。2010年にサービスを開始し、 Windows Server や Microsoft Office といった様々な Microsoft 社製品との親和性から、順調に売上を伸ばしています。
既存のオンプレミス環境に存在する Active Directory とも容易に連携を行うことができ、ハイブリッドクラウド構成を実現する基盤として適していると考えられます。
Google Cloud (GCP)
Google Cloud (GCP)は Google 社が提供するクラウドサービスです。 Gmail や YouTube 、 Google マップなど、 Google 社の提供するサービスを稼働させる基盤としても利用されており、確かなサービスの運用実績がある点がポイントです。
2008年に Google App Engine の提供を開始してから様々なサービスが追加されており、特にコンテナ技術に関してはデファクトスタンダードとなる様々な技術を世の中に提供しています。
クラウドサーバー導入時のポイントと選び方
料金体系
企業にとって、クラウドサーバーの料金は大切なポイントです。複数のサービスを比較して、できるだけ利用料金を抑えられるサービスを選んでください。
また、クラウドサーバーは従量課金制のものが多く、使用量に比例して利用料金も上がっていきます。そのため、意図しない請求が発生しないように、料金体系がわかりやすいサービスがオススメです。
クラウドサーバーはコストパフォーマンスが重要な指標になるため、自社の目的や予算と照らし合わせながら、最適なものを選択していきましょう。
サーバーの種類
クラウドサーバーは PaaS と IaaS の2種類に分けられており、それぞれに異なるメリットとデメリットが存在します。つまり、単に「クラウドサーバーを導入しよう」というだけではなく、自社の状況に合わせたサービス選択が求められるということです。
例えば、開発を前提とした利用であれば PaaS を選択するべきですし、 IT インフラだけを使いたい場合は IaaS の選択がオススメになります。このように、自社がクラウドサーバーを導入する目的に応じて、最適なものを選択することが大切です。
セキュリティレベル
クラウドサーバーを導入する際、セキュリティレベルは必ず確認すべきポイントです。セキュリティレベルが低いサービスを選んでしまった場合、サーバー障害や情報漏洩などが発生するリスクが高まります。
複数のクラウドサーバーを比較検討して、セキュリティレベルが高いものを選択してください。このとき、各クラウド事業者から情報を集めるのはもちろんのこと、インターネット上に利用者の口コミが載っている場合は参考にすると良いでしょう。
第三者の客観的かつリアルな意見はとても参考になりますし、クラウド事業者の HP や資料だけでは気付けないような、運用上のメリットや課題を発見できることがあります。
3大クラウドのセキュリティ対策について比較した記事がございますので、気になる方はぜひご覧ください。
【クラウドセキュリティ対策比較】Google Cloud(GCP)、AWS、Azureを様々な観点から比べてみた
サポート体制
クラウドサーバーを運用する上で、クラウド事業者のサポート体制はとても大切な要素になります。サポート体制が不十分な場合、自社のサーバー運用に不都合が発生してもスムーズに解決することができません。
そのため、サポート体制が手厚いサービスを選択してください。電話やチャットなど、サポートの対応方法や受付時間を確認するのはもちろんのこと、サーバーを運用する上での自社とクラウド事業者の責任分界点を把握しておくことも大切です。
クラウドサーバーは Google Cloud (GCP)がオススメ
市場には多くのクラウドサーバーが存在しますが、せっかく導入するのであれば Google Cloud (GCP)がオススメです。
以下、 Google Cloud (GCP)がオススメな理由をご説明します。
コストパフォーマンスが高い
Google Cloud (GCP)は他のクラウドプロバイダーと比べて、平均60%ほど低価格に設定されています。 Google のインフラを自由に利用できるという機能面でのメリットに加えて、利用料金を抑えることができるというコストパフォーマンスの高さが Google Cloud (GCP)の魅力の一つです。
他のサービスで Google Cloud (GCP)と同じ内容を実現しようとした場合、高い確率で Google Cloud (GCP)よりもコストが上がります。そのため、まずは一度 Google Cloud (GCP)の見積りを出してから、判断することをオススメします。
多彩なサービスを提供している
Google Cloud (GCP)は PaaS として提供されているサービスであり、多彩な機能を搭載しています。クラウドサーバーや IT インフラとしての用途はもちろんのこと、その他にも多くのサービスが内包されています。
そのため、 Google Cloud (GCP)の各サービスを組み合わせることで、自社の目的に合わせた柔軟な運用を実現可能になります。結果として、組織全体の業務効率化や生産性向上に繋がり、クラウドサーバーの導入効果を最大化できます。
堅牢なセキュリティを備えている
Google Cloud (GCP)は第三者認証取得のハイレベルなセキュリティを備えたサービスであり、下記の規格の年次監査を受けています。
- SSAE16 / ISAE 3402 Type II:SOC 2/SOC 3
- ISO 27001・FISMA Moderate
- PCI DSS v3.0
また、 Google のインフラストラクチャに保存されたデータはデフォルトで暗号化が行われるため、実業務でも安心してサービスを利用できます。
万全なサポート体制を提供している
Google Cloud (GCP)を契約するには Google との直接契約とパートナー経由の2種類がありますが、パートナー経由で Google Cloud (GCP)を契約することで、手厚いサポートを受けることが可能です。
パートナー経由で申し込みをした場合、専属の担当営業がアサインされるため、導入後の活用イメージ、不安なこと、疑問点などを好きなタイミングでプロに相談できます。また、導入前に細かい相談を行うこともでき、自社の悩みを解決しながら導入を進められる点は大きなメリットです。
弊社トップゲートも Google Cloud のパートナー企業として認定を受けており、 Google 公式のパートナー Award を3年連続で受賞しています。そのため、これまで培ってきたノウハウや経験から、 Google Cloud (GCP)の運用や導入に向けたサポートを安心して任せることができます。
さらに、トップゲートで Google Cloud (GCP)を契約した場合、無料サポート窓口が付帯しています。支払いトラブルや障害発生など、万が一の場合にサポートを受けられるため、安心してサービスを利用可能になります。
Google Cloud (GCP)をパートナー経由で契約するメリットは、以下の記事で詳しく解説しています。
GCPはどこで契約すれば良い?メリットが多い代理店経由がオススメ
まとめ
本記事では、クラウドサーバーの概要、メリット、デメリットに加えて、クラウドサーバーを導入するときに意識すべきポイントと具体的な選び方まで一挙にご説明しました。
自社のコストや管理工数を抑えつつ、安全な環境でサーバーを運用するにはクラウドサーバーが有力な選択肢になります。ただし、クラウドサーバーの種類は多岐にわたるため、この記事でご紹介したポイントを踏まえて、自社に最適なサービスを選択してください。
もし、クラウドサーバーを導入するのであれば Google Cloud (GCP)がオススメです。高いコストパフォーマンスや堅牢なセキュリティなど、利用企業は多くのメリットを享受できます。また、多彩な機能が内包されているため、自社の業務効率化や生産性向上にも大きく寄与します。
そして、 Google Cloud (GCP)を契約するならトップゲート経由でご検討ください。
トップゲート経由で契約することで
- Google Cloud (GCP)の利用料金が3% OFF
- クレジットカード不要で請求書払いが可能
- 導入後サポートが充実
など、様々なメリットを享受することができます。
本記事を参考にして、ぜひ Google Cloud (GCP)の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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