API 活用の最前線に迫る! Apigee の3大活用パターン、国内事例、最新情報まで徹底解説!

エンジニアブログ

投稿日:2021/07/05 | 最終更新日:2021/09/04

本記事は、2021年5月25日に開催された Google の公式イベント「 Google Cloud Day : Digital ’21 」において、 Google Cloud Apigee セールス Japan リード の湯田秀人氏と Google Cloud Apigee カスタマーエンジニアリング Japan リードの関谷和愛氏が講演された「 API 活用最前線: Apigee 最新情報と国内事例」のレポート記事となります。

今回は Google が提供する API プラットフォームである Apigee について、基礎的な内容から、活用パターン、国内事例、最新情報まで一挙にご紹介します。

なお、本記事内で使用している画像に関しては Google Cloud Day : Digital ’21 「 API 活用最前線: Apigee 最新情報と国内事例」を出典元として参照しております。

それでは、早速内容を見ていきましょう。

API 活用に欠かせない「 Apigee 」とは?

Apigee は Google が提供している API 管理プラットフォームです。元々は Agipee 社のサービスでしたが、2016年に Google が Agipee を買収したことで、現在は Google のサービスとして提供されています。

近年、 API を公開する企業は増えており、ユーザーは API を活用することで効率的なシステム構築を実現できるようになりました。ここで大切なポイントは、 Apigee はユーザーではなく、 API を公開する企業にとってメリットが出るサービスだということです。

本来、 API 管理は容易ではなく、多くの作業工数や人的コストが発生しますが、 Apigee を活用することで手間なく適切に API を管理できるため、結果として自社の業務効率化や生産性向上に直結します。

また、API 公開時はセキュリティリスクを考慮する必要があります。外部に API を公開するということは、悪意のある第三者からサイバー攻撃などを受ける危険性が高まるということです。特に書き込みなどの変更作業を許可している API の場合は、より注意が必要です。

さらに API を有償提供して使用料を受け取っている場合は、ユーザー別の利用状況などもデータとして管理しなければいけません。

このような API に関する様々な要望に対して、一元的に対応できるのが Apigee です。Apigee は API に関わる機能を多数備えており、企業の API 活用を強くサポートするサービスです。

Apigee の3大活用パターン

エコシステム構築

Apigee の活用パターンとして代表的なものがエコシステムの構築です。自社ビジネスの核となるサービスやデータを API 公開して、エコシステムを構築します。一般的には、「企業間連携」や「 API エコノミー」と呼ばれることもあります。

API 公開によって外部のアプリケーションと連携可能な状態になり、異なるアプリケーション同士を連携させることで様々な機能拡充を実現できます。 API を公開した企業の目線では、 API の利用者から API 利用料金を受け取ることができ、さらなるビジネススケールに繋がります。

ビッグデータ活用

Apigee はビッグデータの活用にも寄与するサービスです。昨今、データウェアハウス( DWH )やデータレイクなどにデータを保管している企業が多いですが、そのデータへのアクセスを API 化して一元管理します。

そうすることで、自社が保有するデータを市場に流通させることができ、データマネタイズを実現できます。企業のビッグデータ活用が叫ばれている現代においては、データマネタイズもビジネスをスケールするための重要なポイントです。

ビッグデータに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
ビッグデータとは何か?7業種のクラウドによるデータ活用事例をご紹介!

データレイクに関しては以下の記事で詳しく解説しております。
Google Cloud (GCP) で構築できる「データレイク」とは?概要、メリット、構築方法、ユースケースまで徹底解説!

データウェアハウス(DWH) に関しては以下の記事で詳しく説明しております。
データウェアハウス(DWH)とは?メリットや活用例まで一挙に紹介

IT モダナイゼーション

IT モダナイゼーションとは、自社の古くなった IT 資産を新しいものに刷新することです。ビジネスの変化に柔軟に対応するために、レガシーシステムを API で疎結合化して SoE ( System of Engagement :ユーザーとの繋がりを重視して設計されたシステム)と SoR ( System of Record :正確に記録することを重視して設計されたシステム)を分離します。

このように、 Apigee を活用して SoE と SoR を分離することで、 IT モダナイゼーションの自由度が向上します。例えば、 SoE の新しいサービスはスピード感を持って開発を加速し、 SoR のサービスは自社が計画した独自のスケジュールでモダナイズを進めていくなど、状況に合わせた柔軟な運用を実現できます。

IT モダナイゼーションに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
IT モダナイゼーションとは何か?市場背景、種類、メリット、実現するためのポイントまで徹底解説!

Apigee の国内事例

事例1.エコシステム構築( NTT コミュニケーションズ)

NTT コミュニケーションズでは、 Home Currency Anywhere ( HCA )と呼ばれるデータ流通サービスを利用しています。

HCA は外国為替情報や取引情報などを取り扱っていますが、 Apigee を活用することで、この HCA をクロスボーダービジネスを展開する企業(ミドル B 企業)に API でデータ提供します。さらに、ミドル B 企業に対して、自国通貨でデータを表示してから決済できる新しい顧客体験を生み出しました。

NTT コミュニケーションズの HCA では、すべての機能を API で提供できるため、既存システムと柔軟に連携可能な API を組み込むことで、店舗システムや EC サイトなど、あらゆるシーンでの活用が可能です。まさに Apigee を活用したエコシステム構築の代表的な事例だと言えるでしょう。

エコシステム構築

事例2.ビッグデータ活用(セブンイレブン)

次はビッグデータ活用の事例です。セブンイレブンでは、「セブンセントラル」というデジタルデータ基盤を構築しており、このセブンセントラルへのアクセスを API で一元管理するものです。

セブンイレブンの当初の目的は、各店舗が保有するデータをリアルタイムに取得し、本部のアドバイザーがデータに基づいた意思決定を行うことでした。そこでセブンセントラルでは、店舗の POS データなどをクラウド上で一元管理し、データとロジックを切り離して API 経由でデータ提供する仕組みを整えることで、あらゆる状況に対応できる柔軟な運用が可能になりました。

また、必要に応じて欲しいデータへ迅速にアクセスするために、 Apigee 以外の Google Cloud ( GCP )ソリューションを広く活用することで、新サービスをスピーディーに立ち上げるなど、ビジネススピードの向上を実現しています。

事例3. IT モダナイゼーション(アサヒホールディングス)

最後は IT モダナイゼーションの事例です。アサヒホールディングスの社内システムはオンプレミスとクラウドが混在しており、統一性が図れていませんでした。また、合計400を超えるシステムのうち、9割以上がオンプレミスであったため、 SoE の観点で多くの課題がありました。

そこで、 Apigee を活用して API レイヤーを作成し、 SoE と SoR を分離しました。その結果、 SoE は優先度を上げて積極的に開発を進め、 SoR は状況に応じて段階的にモダナイズを行うなど、柔軟な運用を実現しました。

変化の激しい現代において、 IT モダナイゼーションの重要性は年々高まっているため、このような Apigee の活用法は有効なアプローチであると言えます。

ITモダナイゼーション

最新情報1:新サービス「 Apigee X 」リリース

2021年2月、 Google は新サービス「 Apigee X 」を発表しました。 Apigee X はクラウド版 Apigee の新しいメジャーリリースになります。

従来、 Apigee には「 Apigee Edge Cloud 」と「 Apigee hybrid 」の2つの提供形態がありました。

これまでの Apigee

Apigee Edge Cloud は 100% クラウドの SaaS サービスとして Apigee を利用する形態であり、すべての運用を Google が行います。一方、 Apigee hybrid は オンプレ版 Apigee の後継サービスとして2019年にリリースされたものであり、 Apigee のランタイム対応環境をユーザーが管理・運用するものです。

Apigee X は Apigee Edge Cloud の後継サービスとして位置づけられています。なお、 Apigee hybrid は従来通りそのまま提供されています。

これからのApigee

Apigee X の特徴として、正式に Google Cloud ( GCP )のネイティブサービス化された点が挙げられます。これにより、アカウントが共通化されて利便性が向上し、かつ、全リージョンでサービスを利用可能になりました。また、 Google Cloud ( GCP )の他サービスとも直接連携でき、様々なシーンで活用できるようになりました。

さらに Google Cloud ( GCP )の特徴である AI や機械学習の機能が Apigee X にも採用されており、効率的な API 運用やセキュリティの強化を実現しています。例えば、 bot 攻撃からの防御、データ保護、トラフィック予測、異常検知などが挙げられます。

このように、 Apigee X の登場によって、ユーザーの利便性は大きく向上しました。 Google Cloud との連携で幅広いシーンに対応可能になり、セキュリティ観点でも安心してサービスを利用できるようになりました。

最新情報2:Apigee hybrid のランタイム対応環境の拡大

前章でご説明した通り、 Apigee hybrid はランタイムの対応環境をユーザー側で管理・運用しますが、最近のアップデートでサポート対象の対応環境が拡大されました。

以下、アップデートで追加された対応環境を表でまとめます。

環境 サポートプラットフォーム
Google Cloud ( GCP ) Anthos ( Google Cloud )
Azure Anthos ( attached clusters – AKS )
AWS Anthos ( AWS )
Anthos ( attached clusters – EKS )
オンプレミス Anthos ( on – premises – VMware )
Anthos ( on – premises – Bare metal ※今後、追加予定 )

このように、 Google Cloud ( GCP )だけではなく、様々な環境が Apigee hybrid のランタイムに対応できるようになりました。 Apigee hybrid を利用して自社運用している企業にとっては、嬉しいアップデートであると言えます。

Apigee に関する質問

Q . Apigee X が Google Cloudに取り込まれたとのことですが、バックエンドとの通信がプライベートなので GKE や Cloud load balancing とのレイテンシーなど有利な点はありますか?

A .はい、バックエンドが Google Cloud (GCP)上にある場合、 Google Cloud (GCP)内部での通信になるため、ネットワークのレイテンシーは明らかに有利になります。

Q .どの業界のユーザーが多いですか?

A . Web API エコノミーやエコシステムの構築に Apigee は強力な武器になりますので、業界にこだわらず、すべてのインダストリーのお客様でお使いいただいております。

Q .料金体系の情報を教えてください。

A .こちらをご覧ください。

Q .具体的な構成例などの資料はありますか?

A .こちらの事例ページをご覧ください。

まとめ

本記事では、Google が提供する API 管理プラットフォーム「 Apigee 」について、基礎的な内容から、活用パターン、国内事例、最新情報まで一挙にご紹介しました。

API 活用を行う上で Apigee は有効なソリューションです。現在、多くの企業が Apigee を使っており、エコシステム構築、ビッグデータ活用、 IT モダナイゼーションなど、様々なシーンで活躍しています。

また、最近では新サービスの Apigee X がリリースされ、 Google Cloud ( GCP )の他ソリューションとの連携やセキュリティ向上など、嬉しいメリットが多数追加されました。加えて、 Apigee hybrid のランタイム対応環境も追加されました。

このように、 Apigee は Google の成長とともにサービス自体もアップデートされます。これからも嬉しい機能アップデートが予想されるため、ぜひこの機会に Apigee の活用を検討してみてはいかがでしょうか。



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