一元的なデータ管理を実現するデータファブリックとは?メリットや導入時のポイントまで徹底解説!
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データファブリックという言葉をご存知でしょうか?データ管理の手法や実用性を標準化するためのアーキテクチャであり、データ活用の重要性が高まっている現代において、大きな注目を集める存在となっています。
本記事では、データファブリックとは何か?という基礎的な内容から、データファブリックと他のデータ基盤との違い、データファブリックのメリット、導入時のポイントなど、あらゆる観点から一挙にご紹介します。
目次
データファブリックとは?
データファブリックとは、オンプレミスやクラウドに点在する様々なデータを最適な場所に配置し、必要なデータを任意のタイミングで抽出可能にするためのアーキテクチャです。一言で表すのであれば「企業のデータ活用を促進するための分散型データ基盤」であると言えるでしょう。
従来、企業におけるデータ活用は、煩雑な仕組みを採用しているケースが少なくありませんでした。例えば、オンプレミス環境とクラウド環境にそれぞれデータが置いてある場合、それらのデータを一元的に扱うことはできず、別々の仕組みを使ってデータを管理していたのです。
この場合、データの一元管理を実現することは困難であり、複数の仕組みを使ってデータを保管しているだけの状態となってしまいます。しかし、データは保管しているだけでは意味がなく、自社の保有しているデータを分析し、今後の戦略策定や意思決定に活用してこそ、真の価値を発揮します。
そこで、データファブリックが有効な武器になります。データファブリックは、社内に点在する様々なデータを一つに集約し、網羅的かつ効率的に一元管理することが可能です。つまり、データの置き場所やインフラ環境などに左右されず、一気通貫したデータ管理・活用を実現できるのです。
情報のビッグデータ化が進む昨今、データの量は増大し、その種類も多様化しています。そのため、社内に点在した膨大かつ多様なデータを一元管理できるデータファブリックは、益々重要な存在になっていると言えるでしょう。
データファブリックと他のデータ基盤との違い
データファブリックはデータ基盤の一種であると言えますが、具体的に他のデータ基盤とどのような違いがあるのでしょうか。「ユースケース」「データの種類」「パイプライン」「拡張性」の4つの観点からご説明します。
ユースケース
データファブリックは従来のデータ基盤と比較して、より多くのユースケースをサポートしています。例えば、アナリティクスやオペレーション、トランザクション、ガバナンス、など、様々なシーンで使われるデータについて、すべてを一つのリソースとして一元管理できます。
データの種類
従来のデータ基盤では、扱えるデータが限定的なケースもありましたが、データファブリックは様々なデータに対応しています。例えば、オンプレミスやクラウド、 IoT デバイスなど、様々な環境から取得されるすべてのデータに対応可能であり、最近注目を集めているリアルタイムデータもその例外ではありません。
パイプライン
パイプラインとは、データを管理・活用するための一連の流れを意味する言葉です。データファブリックは高性能なメタデータ管理などの機能を搭載しているため、データの管理から配信まで、一連のプロセスを効率化し、企業のデータパイプライン全体を最適化します。
拡張性
データファブリックの大きな特徴として、柔軟に拡張できる点が挙げられます。自社の状況に合わせて自由にスケール可能なため、リソースやコストの最適化に繋がります。また、ハイブリッドクラウドやマルチクラウドなど、分散化した環境に対して順次展開できる点も嬉しいポイントです。
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データファブリックのメリット
データファブリックを活用することで、企業はどのようなメリットを享受できるのでしょうか。代表的なものをいくつかご紹介します。
データを一元的に管理できる
前述した通り、データファブリックはデータの一元管理に有効です。社内の様々な場所に点在したデータを、データファブリックで一つの場所に集約し、すべてのデータを効率的に活用できる仕組みを構築できます。ビッグデータ化が進む現代において、この点はとても大きなメリットだと言えるでしょう。
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自社のコスト削減を実現できる
データ管理の効率化はコスト削減にも直結します。仮にオンプレミスとクラウドで別々のデータ管理を行なっていた場合、それぞれに対して保守や運用が必要になります。しかし、データファブリックで統合的なデータ基盤を構築すれば、1つの基盤ですべてのデータを管理できるため、人的リソースや IT ツールのコスト削減に繋がります。
データドリブン経営を実現できる
データファブリックでデータを一元管理することで、社内に存在する様々なデータを自由に活用し、多角的な分析を行うことができます。また、1つのデータ基盤ですべてが完結するため、複数のデータ基盤を使う場合と比較して作業がスムーズになります。
その結果、自社が求めている情報を迅速かつ高精度に取得することが可能になり、それらのデータを戦略策定や意思決定に反映することで、データドリブン経営を実現することができます。企業のデジタル化が進む昨今、データファブリックの活用が企業成長の明暗を分けると言っても過言ではありません。
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データファブリック導入時のポイント
データファブリックはとても便利なものですが、導入する際には注意すべきポイントがいくつか存在します。失敗しないように、あらかじめ内容を理解しておきましょう。
既存のデータを見える化する
データファブリックは、自社のデータ管理を効率化するための統合的なデータ基盤ですが、これは既存のデータを見える化して初めて構築できるものです。そのため、社内のどこに、どのようなデータが、どのように保管されているのか、を整理してください。
この作業を丁寧に行うか否かで、最終的に完成するデータファブリックの質は大きく変わります。いきなりデータファブリックの構築作業から始めるのではなく、時間をかけて丁寧に事前準備に取り組むことが大切です。
データの活用目的を明確化する
前述した通り、データは保管しているだけでは意味がなく、分析・活用してこそ真の価値を発揮します。その意味では、データファブリックを活用して、最終的にどのようなことを実現したいのか、というゴールの明確化がとても重要になります。
目指すべき姿が定まれば、あとは逆算してデータファブリックを設計していくだけです。ゴールを明確化することで、抽出したいデータを具体的にイメージできるため、「このデータを取得するためにはどのようなアーキテクチャが必要か」のように、設計プロセスの最適化にも繋がります。
適切なツールを選択する
データファブリックは、社内に存在するデータを統合的に管理するためのデータ基盤であるため、自社だけですべてを構築するのが難しいケースも存在します。むしろ、外部の IT ツールを利用して、データファブリックを構築する企業の方が一般的だと言えます。
ただし、データ基盤構築に使えるツールなら何でも良い、というわけではありません。効率的なデータファブリックを構築するためには、高性能かつ信頼性の高いサービスを選択することが大切です。仮にツール選びを誤った場合、思うような効果は得られずに、コストと時間を浪費してしまいます。
データファブリックにオススメのサービスをご紹介!
先程、効率的なデータファブリックを構築するためには、適切なツール選びが重要だとご説明しました。最後に、データファブリックにオススメのサービスをご紹介します。
ツールの選び方は多岐にわたりますが、以下のポイントを意識すれば失敗することはありません。
- データ構成の論理性
- セキュリティとガバナンス
- ツールの使いやすさ
膨大なビッグデータを扱うデータファブリックでは、整理してデータを管理するための論理性が重要なポイントになります。また、貴重な社内データを扱うため、セキュリティやガバナンスの観点は忘れてはいけません。加えて、自社の生産性向上を実現するためには、誰でも簡単に使えるツールを選ぶことが大切です。
これらの点を踏まえると、データファブリックには Google Cloud (GCP)がオススメのサービスになります。 Google Cloud (GCP)に搭載されている Dataplex を活用することで、質の高いデータファブリックを効率的に構築することができます。
以下、 Google Cloud (GCP)および Dataplex の概要とオススメな理由をご紹介します。
Google Cloud (GCP)とは?
Google Cloud (GCP) は Google が提供するパブリッククラウドサービスです。同じ種別のサービスとしては、 Microsoft 提供の「 Azure 」や Amazon 提供の「 AWS 」などが挙げられます。
Google Cloud (GCP) は、セキュアで高い安定性を持つ Google の IT プラットフォーム環境を自社で利用することができます。ビッグデータや Google Workspace との連携など、『クラウド利用を越えた先の IT 戦略』をシームレスに実現することが可能です。
また、「 BigQuery 」をはじめとした優れたデータ解析ツールが用意されているため、一部のエキスパートだけでなく、組織全体でデータを活用し、経営戦略の策定や業務改善に繋げていくことが可能です。さらに Google Cloud(GCP) の多種多様なサービスを活用することで、自社に適した運用を柔軟に実現できます。
Dataplex とは?
Dataplex は、分散化したデータの一元化によりデータ管理を自動化し、大規模な分析を強化するためのインテリジェントなデータファブリックです。
Dataplex の活用により、ベストな Google ネイティブ、オープンソースツールで、様々な種類のデータをあらゆる規模で迅速にキュレート、保護、統合、分析することが可能になります。また、標準で高機能な AI が搭載されているため、効率的なデータ管理を実現できます。
ここからは、 Dataplex の特徴を具体的に見ていきましょう。
論理的なデータ構成
Dataplex の特徴として、論理的なデータ構成が挙げられます。ビジネスのユースケースと LOB のニーズに基づき、データを Lake と Zone 内に結びつけます。 LOB は「 Line of Business 」の略であり、企業の業務に直結する部門ラインを意味する言葉ですが、最近では業務に必要な基幹アプリケーションを指す言葉として使われるケースもあります。
なお、 Dataplex の論理構造は、データのアクセス性やセキュリティのコントロール、財務ガバナンスなどの基盤として利用されています。
セキュリティとガバナンスの集中化
Dataplex は、データサイロ全体のセキュリティポリシーを定義することで、データアクセスを一元的に定義、管理、監査することができます。また、機密データの自動検出やデータ保持の一元管理など、統一されたガバナンスポリシーを実現できます。
エンドツーエンドのライフサイクル管理
Dataplex には様々なテンプレートが用意されており、データの移動、階層化、改善をワンクリックで実現可能です。また、 Dataflow や Data Fusion との統合も容易にできます。さらに、統一された監視や柔軟な拡張性により、エンドツーエンドのライフサイクル管理が可能になります。
データインテリジェンス
Dataplex を活用することで、自動データ検出と分類が可能になります。例えば、動的なスキーマ検出と型のマッピングや非構造化データのメタデータ収集などが挙げられます。また、一貫性のあるメタデータでオープンソースと Google Cloud (GCP)ネイティブツールとの相互運用性を確立でき、ビルトインでのデータ品質も大きな特徴となっています。
統合された分析体験
Dataplex の活用により、統合された分析体験を享受できます。例えば、データ管理者向けには、フルマネージドな分析環境やコンサンプションの柔軟性を提供します。また、データサイエンティストやデータアナリスト向けには、ワンクリックでノートブックや SQL workspace にアクセスできるなど、多くの側面から利便性の向上を実現します。
まとめ
本記事では、データファブリックとは何か?という基礎的な内容から、データファブリックと他のデータ基盤との違い、データファブリックのメリット、導入時のポイントなど、あらゆる観点から一挙にご紹介しました。
昨今、データファブリックの重要性は益々高まっています。ビッグデータ化が進む現代において、データファブリックの活用が企業成長の明暗を分けると言っても過言ではないでしょう。
データファブリックを導入するためのポイントはいくつか存在しますが、その中でも IT ツールの選び方はとても重要です。ツール選びを誤った場合、思うような効果は得られずに時間とコストを無駄にしてしまいます。
市場には様々なツールが存在しますが、せっかく導入するなら Google Cloud (GCP)がオススメです。 Google Cloud (GCP)に搭載されている Dataplex を活用することで、高性能なデータファブリックを効率的に構築できます。
本記事を参考にして、ぜひ Google Cloud (GCP)の導入および Dataplex の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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