Cloud SQL が大幅アップデート?2021最新機能の紹介と利用前に確認すべき5つのポイントを徹底解説!

Cloud SQL が大幅アップデート?2021最新機能の紹介と利用前に確認すべき5つのポイントを徹底解説!

GCP

投稿日:2021/07/07 | 最終更新日:2021/09/04

本記事は、2021年5月26日に開催された Google の公式イベント「 Google Cloud Day : Digital ’21 」において、 Customer Engineering Database Specialist の江川大地氏が講演された「 Cloud SQL 最前線 – 最新機能紹介と利用前に確認したい 5 つの設定 -」のレポート記事となります。

今回は Cloud SQL に関する最新機能の紹介とあわせて、サービス利用前に確認すべきポイントを5つに絞って解説しています。

なお、本記事内で使用している画像に関しては Google Cloud Day : Digital ’21 「 Cloud SQL 最前線 〜最新機能紹介と利用前に確認したい 5 つの設定〜」を出典元として参照しております。

それでは、早速内容を見ていきましょう。

Cloud SQL とは?

Cloud SQL は Google Cloud (GCP)に内包されているデータベースサービスです。

Cloud SQL を活用することで Google の信頼性の高い基盤の上でスケーラブルなデータベースを構築できる上に、フェイルオーバーや Master-Slave レプリケーションなど、自分で全て行うには面倒な運用管理を容易に実行することが可能です。

また、「ユーザーの管理」「データベースの管理」「定期バックアップ」などは web コンソール上で操作できるため、管理工数を削減することができます。このように Cloud SQL は単に MySQL / PostgreSQL を提供するだけではなく、自社の業務効率化を実現するためのサービスであると言えます。

さらに Cloud SQL はフルマネージドで提供されているため、ユーザー側に発生する作業負担は一切ありません。サーバー障害時の対応をはじめとして、すべての管理・運用を Google に任せることができるため、より生産性の高い業務に注力することが可能になります。

フルマネージドサービスについては、以下の記事が参考になります。
マネージドサービスとフルマネージドサービスの違いとは?メリット・デメリットまで徹底解説!

Cloud SQL の2021最新機能を一挙紹介!

Cloud SQL はアップデートが頻繁に行われているサービスであり、「2020年5月〜2021年4月」の1年間で計20回以上のアップデートが行われています。

つまり、 Cloud SQL は数ある Google Cloud ( GCP )のソリューションの中でも積極的に改善が行われており、日々進化しているサービスだと言えるでしょう。

今回は Cloud SQL の様々なアップデートの中から、特に重要なものに絞って詳しくご説明します。

新しいデータベースバージョンへの対応

Cloud SQL は各種データベースエンジンの最新バージョンに対応できるようになりました。

具体的な対応バージョンは以下の通りです。

  • MySQL 8.0
  • PostgreSQL 12、13
  • SQL Server 2017

これにより、 Cloud SQL は最新バージョンのサポートを受けられるため、効率的かつ安心してサービスを運用することが可能です。

メンテナンス関連のアップデート

直近1年の Cloud SQL のアップデートの中で、最も進化したと言えるのがメンテナンスに関連する内容です。

以下、具体的なアップデート内容を4つご紹介します。

ダウンタイム時間の70%削減

Cloud SQL では、メンテナンスとしてセキュリティパッチの適用やマイナーバージョンのアップグレードなどを行いますが、その際のダウンタイム(サービスの稼働が止まる時間)を大幅に削減しました。例えば、 MySQL や PostgreSQL の場合は90秒未満、 SQL Server の場合は120秒未満でメンテナンスが完了します。

メールによる事前通知

Cloud SQL のメンテナンス情報について、事前にメールで通知が送られるようになりました。そのため、サービスの運用担当者は前もってメンテナンス計画を知ることができ、余裕を持ってメンテナンスに備えることが可能です。メールのタイミングとしては、メンテナンスの1週間前までに通知される形となっています。

リスケジュール

Cloud SQL のメンテナンスを行う際、ユーザー側でメンテナンスウィンドウというものを設定します。これは「自社のメンテナンスをいつ行うか?」という予約枠のようなものとイメージしてください。原則、指定した日時でメンテナンスが実施されますが、このメンテナンスウィンドウを最大1回までリスケジュール(スケジュール変更)することが可能になりました。そのため、急に都合が悪くなった場合でも、メンテナンスの日時をずらすことができます。

Deny Periods (不要期間)

Deny Periods は Cloud SQL 特有の機能となっており、日本語で「不要期間」と呼ばれることもあります。 Deny Periods を活用することで、最大90日間メンテナンス実施を拒否できる期間を設定可能になりました。そのため、自社の繁忙期やキャンペーン期間中のメンテナンスを避けることで、生産性を最大化することができます。 Deny Periods については、後ほど詳しく解説します。

Query Insights

Query Insights は性能問題の検出、診断、防止を支援するモニタリング機能です。例えば、データベースに対する負荷やクエリの性能などをダッシュボード上でわかりやすく可視化できます。この機能を活用することで、問題発生時の根本的な原因究明が容易になりました。

Query Insights によってクエリのレイテンシ(通信の遅延時間)を分析し、原因となっているクエリのソースを特定できるほか、そのクエリを投げたユーザーやアクセス元まで辿ることができるため、迅速に改善アクションを進めることが可能です。

Query Insights

なお、2021年5月時点では Query Insights は PostgreSQL のみ対応しています。また、リードレプリカには未対応であるため、この点は事前に注意しておきましょう。

IAM データベース認証への対応

Cloud SQL では、 ID 管理をシンプル化する「 IAM データベース認証」という新機能がリリースされ、データベースログイン時に IAM の認証情報を利用できるようになりました。そのため、データベースアクセスに関するユーザー管理や認証フローを簡素化でき、自社の業務効率化に繋がります。

IAMデータベースへの認証

注意点として、 IAM データベース認証は SSL 接続でのみ使用可能であり、アクセストークンの有効期間は1時間となっています。また、 Query Insights と同様に2021年5月時点では PostgreSQL のみ対応しています。

確約利用割引( CUD )のサポート

確約利用割引( CUD )とは、サービスの長期利用を確約することで大幅な値引きを受けられる割引形態です。 Cloud SQL は、この確約利用割引( CUD )のサポートを受けられるようになったため、自社のデータベース費用を削減できます。

具体的には、1年間利用で25%の割引、3年間利用で52%の割引となっています。なお、確約利用割引( CUD )は、リージョン内の Cloud SQL インスタンスの使用量の合計に自動的に適用されるため、適用するインスタンスやエンジンを選択する必要はありません。

ただし、リージョンはあらかじめ特定する必要があるため、その点は注意してください。なお、共有 CPU マシンタイプ( db-f1-micro や db-g1-small など) は対象外となるため、覚えておいてください。

Database Migration Service

Database Migration Service は、厳密に言うと Cloud SQL 自体のアップデートではありませんが、 Cloud SQL への移行をサポートするサービスであるため、関連トピックスとしてご紹介しておきます。

Database Migration Service を活用することで、最小限のダウンタイムで Cloud SQL へのデータ移行を実現できるようになりました。高い信頼性と完全性を誇るサービスであり、強固なセキュリティとサーバーレス提供が大きな特徴となっています。

なお、2021年5月時点では PostgreSQL と MySQL に対応しています。

Cloud SQL の利用前に確認したい5つのポイント

本章では、 Cloud SQL を利用する上で最低限確認しておきたい重要なポイントを5つに厳選してご紹介します。

HA 構成の設定

HA 構成は HA ( High Availability )構成の略であり、システムを継続的に稼働させるための構成を意味する言葉です。日本語では高可用性構成と呼ばれることもあります。

Cloud SQL で HA 構成を有効化することで、プライマリとスタンバイという2台のデータベースを利用した冗長構成を簡単に組むことができます。そのため、本番環境の可用性を確保するためには HA 構成がオススメです。 HA 構成を利用することで、 Cloud SQL の SLA (稼働率99.95%)が適用されるため、安心してサービスを運用できます。

HA構成

まずは管理コンソールで HA 構成が有効になっているかを確認しましょう。また、安全性を高めるためには、フェイルオーバー発生時にアプリケーションがどのように応答するのかをチェックしておくことが大切です。フェイルオーバーとは、障害などでシステムがダウンした際に、代替システムが機能を引き継ぎ、処理を続行する仕組みのことです。

この事前チェックにより、万が一の場合でも焦らずに対応でき、サービスの可用性をさらに高いレベルで確保することが可能です。フェイルオーバーは手動で発生させることができるため、前もってテストしておくことをオススメします。

ここで、簡単に HA 構成のアーキテクチャをご説明します。

Cloud SQL の HA 構成を利用する場合、裏側では以下のようなアーキテクチャになっています。

HA構成アーキテクチャ

HA 構成ではプライマリ DB とスタンバイ DB の2つのリソースについて、ゾーンをまたぐ形で利用できます。

書き込みを行なう場合は IP アドレスを通じてプライマリ DB に書き込みがなされます。このとき、裏側でリージョン永続ディスクというものが利用されており、このリージョン永続ディスクに対してプライマリ DB が書き込みを行います。リージョン永続ディスクは2つのゾーンにまたがって同期のレプリケーションで書き込みを行っており、これによってデータの堅牢性を高めています。

万が一プライマリ DB に障害が発生した場合は、もう一方のゾーンに存在しているスタンバイ DB が昇格をし、プライマリ DB として代わりに立ち上がりフェイルオーバーする仕組みとなっています。このとき、アプリケーションから見た向き先は変わらず、 IP アドレスに対して通常時と同じようにアクセス可能であり、その後、昇格したスタンバイ DB へ自動的に向き先が変わります。

また、リードレプリカというリソースを設けることで、データベース自体のレプリケーションプロトコルを使って非同期でレプリケーションを行うことができます。

HA 構成は高い可用性が求められる処理に適しており、ユースケースとしては BigQuery を用いたリアルタイム分析などが挙げられます。仮に障害でシステムがダウンした場合でもフェイルオーバーによって安全に作業を進めることができます。

バックアップ

バックアップはオペレーションミスへの対応として利用できる機能です。

バックアップを利用することで、データベースを過去の状態に戻すことができるため、オペレーションミスが発生しても慌てずに対処可能です。 Cloud SQL には「自動バックアップ」と「オンデマンドバックアップ」の2つのバックアップオプションが用意されています。

自動バックアップはバックアップを取得する時間枠を指定して、その時間に毎日バックアップを取得するものです。とても利便性が高い機能ですが、インスタンスを削除する際にバックアップも自動的に削除されるため、この点は注意が必要です。

一方、オンデマンドバックアップは任意のタイミングでバックアップが作成されるものであり、バックアップの自動削除は行われません。そのため、可用性を高めるためには自動バックアップとオンデマンドバックアップの併用が有効な選択肢になると言えます。

バックアップ

ここでの確認ポイントとしては、バックアップの時間枠を極力負荷が低くなる時間帯に設定することです。また、バックアップからのデータ復元が速やかに行えるかどうかも事前テストでチェックしておきましょう。

メンテナンス通知の設定

Cloud SQL にはメンテナンスの自動通知機能が搭載されており、いち早くメンテナンス情報を取得することが可能です。このメール通知は、設定から「メンテナンスの時間枠」の通知をオンにすることで使えるようになります。

メンテナンス事前通知

ただし、メール通知の設定は Cloud SQL のコンソール画面ではなく「ユーザー設定」の画面から行う点は注意が必要です。また、メンテナンスウィンドウを設定しないと通知が送られない仕様になっているため、正しく設定されていることを事前に確認してください。

Deny Periods (不要期間)の設定

前章でもご説明した通り、 Cloud SQL では「 Deny Periods (不要期間)」という特有の機能が搭載されています。 Deny Periods を設定することで、特定期間におけるメンテナンスを回避できます。

ポイントとしては、自社がメンテナンスを避けたい時期をあらかじめ明確化しておくことです。なお、 Deny Periods は1年間につき1回のみ設定でき、最大90日間の期間内で指定可能です。

不要期間

2021年5月現在は gcloud コマンドを使用した設定のみが対応しており、コンソール画面からの設定、確認、削除は不可となっています。重要なポイントなので、確実に理解しておきましょう。

プライベート IP の構成

Cloud SQL を利用する場合は、ネットワーク設計を考慮することが大切です。特に VPC ネットワークで初めてプライベート IP 接続を構成する場合は、プライベートサービスアクセスの設定が必要になります。

プライベートサービスアクセスを設定する際、 IP アドレスの範囲を指定しますが、基本的にはユーザー自身で IP アドレスの範囲を設定してください。自動割り当ても可能ですが、指定する IP アドレスが重複するリスクがあります。

例えば、オンプレミスから Cloud SQL に直接アクセスしたい場合、オンプレミスの CIDR ( Classless Inter-Domain Routing : IP アドレスの割り当てと経路選択を柔軟に運用する仕組み)と 指定した IP アドレスの範囲に重複があると Cloud SQL にアクセスできないため注意が必要です。

また、「172.17.0.0/16」の IP アドレスは Google Cloud ( GCP )の Docker ブリッジネットワーク用に予約されているため、この IP アドレスを指定した場合、 Cloud SQL への接続に問題が発生します。

プライベートIP構成

これらの確認ポイントを正しく理解し、 Cloud SQL のプライベート IP 構成を検討してください。

Cloud SQL に関する質問

Q . MySQL で Query Insights の提供予定はありますか?

A. ご要望はいただいておりますので Query Insights については PostgreSQL 以外のエンジンについても検討をしております。

Q .確約割引の適用範囲はプロジェクト単位になりますか?

A .請求先アカウント単位になります。

Q .同期レプリケーションの場合の同期による遅延はどれくらいですか?

A .同期による遅延やリードレプリカのレプリカへの伝播はデータの更新量などのワークロードに依存するため、一概には申し上げられません。お客様のワークロードを元にベンチマークなどでご確認いただきたいと考えています。

Q . BigQuery Cloud SQL 連携機能のサポートについて、今後 SQL Server がサポートされる予定はありますか?

A .ご要望はいただいておりますので、今後もお客様の声をお聞きしていきたいと思います。

まとめ

本記事では、Google Cloud ( GCP )のクラウド型データベース Cloud SQL について、最新機能とサービス利用前に確認したい5つのポイントを一挙にご紹介しました。

Cloud SQL は頻繁にアップデートが行われており、これからも進化し続けるサービスです。うまく活用することで、企業は様々なメリットを享受でき、自社のデータベースを安全かつ効率的に運用することが可能です。

なお、 Cloud SQL は Google Cloud ( GCP )に内包されているサービスであるため、利用するには Google Cloud ( GCP )の契約が必要です。 Google Cloud ( GCP )には他にも便利なサービスが多数備わっており、それらを連携することで様々なシーンにおける生産性向上を実現できます。

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