政府が提唱するガバメントクラウドとは?生まれた背景や対応方針など重要ポイントを徹底解説!

政府が提唱するガバメントクラウドとは?生まれた背景や対応方針など重要ポイントを徹底解説!

ビジネス

投稿日:2021/11/27 | 最終更新日:2022/01/21

ガバメントクラウドとは何かをご存知でしょうか?政府が提唱している大規模な IT プラットフォームであり、クラウド活用を前提として行政サービス全体のデジタル化を推進するものです。

本記事では、政府が公表しているレポート内容に沿って、ガバメントクラウドの概要、生まれた背景、対応方針など、重要なポイントをわかりやすく解説します。

クラウドとは?

クラウドとは「インターネット上の仮想基盤」を意味する言葉です。PCやスマホなどの端末にデータを保存するのではなく、インターネット上に存在する仮想空間(サーバー)に保存して、運用することを「クラウド化」と言います。

クラウドは IT システムに必要な機器や設備を自社で保有しない運用形態です。そのため、データセンターを自社で設置・管理する必要がないため、初期コストや運用負荷を抑えることができ、スムーズな導入が可能になります。

さらに、使用する端末を選ばない点もクラウドのメリットの一つであり、パソコン、タブレット、スマートフォンなど、あらゆるデバイスからアクセス可能です。

また、クラウドは Web 上で設定変更を行えるため、使用リソースを柔軟に変えることができます。このように、自社の状況に応じて自由に拡張できる点も嬉しいポイントです。

クラウドに関しては、以下の記事で詳しくご紹介しています。
企業のクラウド化が加速中!クラウド導入のメリットとは?

ガバメントクラウドとは?

2021年2月、内閣官房情報通信技術( IT )総合戦略室は、地方公共団体におけるデジタル化の推進を目的に「地方自治体によるガバメントクラウドの活用について(案)」というレポートを公表しました。

ガバメントクラウドは、同レポートの中に明記されている言葉であり、「政府の情報システムについて、共通的な基盤・機能を提供する複数のクラウドサービス( IaaS 、 PaaS 、 SaaS )の利用環境」と定義されています。なお、レポート内では「 Gov-Cloud 」という表記も使われています。

つまり、ガバメントクラウドは日本政府がデジタル化を進める上で活用するための IT プラットフォーム環境です。デジタル化推進にはクラウドの利用が大前提となっており、各地方公共団体においてもガバメントクラウドを早期に整備し、運用を開始することが求められています。

なお、2021年10月、デジタル庁は Amazon の Amazon Web Services (AWS)と Google の Google Cloud (GCP)を日本政府のガバメントクラウドとして選定した旨を発表しました。計3社の公募がありましたが、セキュリティや事業継続性など、350項目を満たしたサービスである点を選定理由として挙げています。

Google Cloud (GCP)に関心のある方は以下の記事がおすすめです。
Google Cloud Platform™ (GCP) とは

「SaaS」「PaaS」「IaaS」に関して詳しく知りたい方におすすめの記事は以下です。
【図解でわかる!】SaaS、PaaS、IaaSの違いとクラウドサービスとの関係性について

ガバメントクラウドが生まれた背景

ガバメントクラウドが生まれた背景には「デジタル・ガバメント実行計画」の存在があります。これは「行政手続のデジタル化」を目的として、政府が2018年に発表した計画であり、多くの人々にとって行政サービスが便利かつ身近になるような社会を目指しています。

同計画においてはデジタル・ガバメントの分野が重要視されており、これらの取り組みに関して、国民や事業者の利便性向上を目的に「デジタル・ガバメント推進方針」が策定されました。同方針は「デジタル活用を前提とした行政サービス全般の見直し」という広い目線で進められています。

このように、日本全体でデジタル化に向けた動きが強まる中、政府が取り扱う膨大なデータを管理し、各種手続きをオンライン化するための大規模な IT プラットフォームが求められるようになりました。そこで、すべての情報を一元的に管理・運用するためのクラウド環境として、ガバメントクラウドが登場したのです。

なお、デジタル・ガバメント実行計画は政府主導で進めているものですが、その対象は国や地方公共団体だけに留まりません。行政サービスを利用する国民や民間企業にも深く関係する事柄であり、社会全体に大きな影響を及ぼすものとされています。

デジタル・ガバメント実行計画に関心のある方は、以下の記事がオススメです。
政府が提唱する「デジタル・ガバメント実行計画」とは?民間企業への影響まで徹底解説!

ガバメントクラウドの3つの対応方針

内閣官房情報通信技術( IT )総合戦略室のレポートでは、ガバメントクラウドにおける3つの対応方針を定めています。

ここからは「地方自治体によるガバメントクラウドの活用について(案)」のレポート内容に沿って、ガバメントクラウドの詳細をご説明します。主に地方自治体に対して、ガバメントクラウドの導入を働きかける内容となっています。

ガバメントクラウドへのアプリケーション構築

アプリケーションの開発事業者は、標準仕様に準拠して開発した基幹業務等のアプリケーションをガバメントクラウド上に構築可能とされています。つまり、ガバメントクラウドの環境下に直接アプリケーションを構築するイメージになります。なお、対象の事業者やアプリケーションの要件などは、今後検討していく旨が記載されています。

地方公共団体におけるアプリケーションの選択の自由

基幹業務等のアプリケーションは、複数の事業者がガバメントクラウド上に構築し、地方自治体はそれらの中から選択することが可能とされています。そのため、ガバメントクラウドには複数のアプリケーションが存在し、地方自治体が裁量を持って利用するサービスを選択する形になります。

基幹業務のオンライン化

レポートには「地⽅⾃治体は基幹業務等をオンラインで利⽤できるようになる」との旨が記載されています。つまり、地⽅⾃治体がサーバー等のハードウェアや OS ・ミドルウェア・アプリケーション等のソフトウェアを所有する必要はなく、ガバメントクラウドの中ですべての業務を完結できるようになります。

地方自治体がガバメントクラウドを活用する4つのメリット

コスト削減

ガバメントクラウドを活用して、サーバー、 OS 、アプリケーションなどを共同利用することで、コストの削減に繋がります。また、民間事業者がガバメントクラウド上で開発したアプリケーションを自治体が選択可能にすることで、自然競争による価格の適正化や使い勝手の向上も期待できます。

迅速なシステム構築・拡張

従来、オンプレミスでシステム運用している地方自治体では、システムの構築時間や拡張性の低さが課題として挙げられていました。しかし、ガバメントクラウドが提供する機能を活用することで、情報システムの迅速な構築や柔軟な拡張を実現でき、住民に対して行政サービスをスムーズに提供することが可能になります。

効率的な庁内外のデータ連携

ガバメントクラウドを活用することで、アプリケーションの移行などに伴うデータ移行が容易になり、庁内外のデータ連携が強化されます。これにより、行政業務の効率化を実現できるとともに、住民が入力の手間を省けるワンスオンリーのサービスを提供しやすくなります。

セキュリティ対策の一元化

ガバメントクラウドで一元的なセキュリティ対策を行うことで、各地方自治体が個別にセキュリティー対策や運用監視を行う必要がなくなります。そのため、行政全体でセキュリティーレベルを統一でき、今まで予算的に厳しかった自治体においても最新のセキュリティー対策を導入可能になります。

ガバメントクラウドのセキュリティ要件

ガバメントクラウドは大規模かつ重要なデータを取り扱うことから、万全なセキュリティ対策が求められます。政府はガバメントクラウドのうち、地方自治体が活用するクラウド事業者および環境については、高いセキュリティを確保するために具体的な要件を定めています。

以下、レポートに記載されている内容を整理して要件をまとめました。

  • ISMAP の評価・登録を受けたクラウドサービス
  • データセンターの物理的所在地が日本国内
  • 情報資産を日本国外へ持ち出すことは禁止
  • 日本の裁判所が一切の紛争を管轄
  • 契約の解釈が日本法に基づく
  • データ分離やアクセス制御などによる高い機密性の確保
  • システム接続は専用回線を利用
  • インターネット経由の接続はネットワークのセキュリティを確保
  • 冗長化によるバックアップ体制など高い可用性の確保

このように、様々なセキュリティ要件が具体的に示されています。ガバメントクラウドとして利用されるクラウドサービスは、とても強力なセキュリティを求められると言えるでしょう。

ガバメントクラウドの実現スケジュール

ガバメントクラウドの実現に向けて、レポートでは全体スケジュールのイメージが具体的に明記されています。

スケジュール
※引用:内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室「地方自治体によるガバメントクラウドの活用について(案)

このように、各フェーズごとに具体的な状況が想定されており、令和7年度末にはすべての自治体でガバメントクラウドが活用される計画となっています。

以下、フェーズごとにポイントをご説明します。

先行事業(令和3年〜令和4年)

ガバメントクラウドへのクラウド移行を先行事業として行い、課題や手法の整理を行います。また、令和4年度までに緊急時給付等を簡便に行うためのアプリケーションや、自治体における共通 SaaS サービスなどをガバメントクラウド上に構築します。

クラウド移行に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
「 Lift & Shift 」 とは?クラウド移行の手順を5ステップで解説!

本格移行期(令和5年~令和7年)

標準仕様に準拠した業務アプリケーションがガバメントクラウド上に構築され、地方自治体が順次活用を開始します。これにより、オンラインかつワンスオンリーな行政サービスや柔軟性の高い迅速な行政手続きなどが実現可能になります。また、アプリケーションを乗り換える際のデータ移行も簡素化されることが期待されています。

ガバメントクラウドへ完全移行(令和7年度末)

令和7年度末には、原則すべての地方自治体でガバメントクラウドの活用を開始します。これにより、国とすべての自治体が一元的に繋がり、お互いに密な情報連携を行うことで効率的な行政サービスが実現します。利用者(住民)目線では、これまでにない新しい価値を享受できることでしょう。

民間企業のデジタル化の必要性

ここまでご説明してきたガバメントクラウドやデジタル・ガバメント実行計画は政府が主導で進めているプロジェクトですが、民間企業とも密接に関係しています。

企業自体も様々な行政手続を行う利用者であるため、行政サービスの利便性が向上すれば直接的なメリットを享受できます。また、同計画ではコネクテッド・ワンストップの考え方が明記されており、行政機関と民間企業の連携が重要視されています。

そのため、デジタル・ガバメント実行計画を実現するためには、民間企業も積極的にデジタル化を進めることが大切です。公民一体となり同じゴールに向けてアクションを行うことで、社会全体のデジタル・ガバメントを促進できます。

デジタル化には色々な手法がありますが、効果的な方法がクラウドサービスの活用です。デジタル・ガバメント実行計画ではクラウドの積極利用について明記されており、ガバメントクラウド自体もクラウド利用を大前提とした考え方です。

次章では、企業がクラウドサービスを利用するメリットをご紹介します。

デジタル化にはクラウドサービスがオススメ

初期費用を抑えることができる

オンプレミスの場合は、すべてのインフラ設備を自社で揃える必要があり、数百万単位のコストが発生することも少なくありません。

一方、クラウドは自社でのサーバー購入やシステム開発が不要なため、初期費用を抑えることができます。そのため、少額投資でスタートできる点は、デジタル化を進める上で大きなメリットだと言えます。

オンプレミスとクラウドの違いに関して理解を深めたい方は以下の記事がオススメです。
オンプレミスとクラウドの違いとは?メリット&デメリット、移行の注意点も解説

運用負荷を軽減することができる

自社でサーバーを運用する場合、メンテナンスや保守を行なうための技術員が必要になります。システムに問題が発生したときは、早急に改善しなければならないため、大きな運用負荷がかかってしまいます。

一方、クラウド利用における保守や有事対応は、すべてクラウドベンダーが巻き取ってくれるため、システムの運用負荷を軽減でき、結果として人件費の削減に繋がります。このように、自社の工数やコストを抑えられる点は、クラウドでデジタル化を進める上でのメリットの一つになります。

人件費以外にも、金額面でも負荷を軽減させることができます。ぜひ以下の記事も合わせてご覧ください。
クラウドとオンプレミスの減価償却と会計処理・税務処理について

導入後すぐに始めることができる

いくらデジタル化を進めたくても、時間を要するのであれば考えてしまいますよね。例えばオンプレミスの場合、システムをゼロから設計・開発していくため、利用開始までに何ヶ月もの期間を要します。

一方、クラウドは既に完成されているサービスを利用するので、導入後すぐに始めることができます。ビジネスの世界はスピードが命なので、迅速に社内のシステム環境を整えられる点は大きなメリットです。

オンプレミスとクラウドでの開発の違いに関して理解を深めたい方は以下の記事がオススメです。
オンプレミス、クラウド開発における違いとそれぞれの特徴とは?

場所を問わずに働くことができる

オンプレミス運用では、「会社にいないとシステムが見れない」といった状況が多くありましたが、クラウドはインターネット環境さえあれば、どこからでも情報にアクセスすることができます。

そのため、場所を問わずに働くことができる『新しい働き方』が実現可能になります。これは行政サービスのオンライン化とも共通する部分であり、クラウドの活用によって物理的な「場所」という縛りから解放されます。



このように、デジタル化を進めるためにはクラウドサービスが強い武器になります。市場には数多くのクラウドサービスが存在しますが、代表的なものとしては以下の3つが挙げられます。

  • Google Cloud (GCP)
  • Amazon Web Services (AWS)
  • Microsoft Azure

以下の記事で、3大クラウドサービスをわかりやすく比較していますので、関心のある方はぜひご覧ください。
大手クラウドサービス3社の違いとは? GCP 、 AWS 、 Azure の特徴を比較!

3大クラウドAWS、Azure、GCPの機能を比較したら見えてきたサービスごとの違いと特徴とは?

【クラウドセキュリティ対策比較】GCP、AWS、Azureを様々な観点から比べてみた

まとめ

本記事では、政府が公表しているレポート内容に沿って、ガバメントクラウドの内容を詳しく解説しました。内容をご理解いただけましたでしょうか?

ガバメントクラウドやデジタル・ガバメント実行計画は政府主導で進めているものですが、決して民間企業に無関係の話ではありません。民間企業が積極的にデジタル化を推進することで、社会全体のデジタル・ガバメントを効率的に進めることができます。

デジタル化を進めるためにはクラウドサービスの導入が重要なポイントですが、数あるクラウドサービスの中でも Google Cloud ( GCP )がオススメです。高いセキュリティレベルや高速なデータ処理、コスト管理のしやすさなど、 Google Cloud (GCP)を活用することで、企業は様々なメリットを享受でき、デジタル化を強く推進することができます。

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本記事を参考にして、ぜひ Google Cloud ( GCP )の導入を検討してみてはいかがでしょうか。



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